伊達×頼光「ルームナンバーは25252…」…「SSG」の蓮さまより頂戴したキリリク絵に寄せてvv(03.10.11)
□ルームナンバーは25252・・・
やっとだ…やっと一人になれた…。
頼光はいつも使用するホテルの一室に辿り着き、設えられた大きめのベッドへとスーツのジャケットを脱ぎ捨てながら
一人呟いた。
カーテンが開かれた部屋の大きな窓からは、宝石箱をひっくり返したような赤青緑…色とりどりに夜景が広がってい
た。
常日頃なら美しいものに対する興味が薄い頼光であったが、今夜は余程疲れていたのか、疲弊しきった身心が求め
ているのか、疲労で火照った身体を冷えた窓ガラスに預けて夜景を眺める。
ホウ…と溜息を一つつき、首を締め上げる窮屈なタイに指を伸ばしその小さな結び目に滑り込ますと、ゆっくり優雅な
仕種でタイを解きにかかった。
「のんびり、酒を飲むとするか…」
視線を、宝石を埋め込んだ黒いビル陣に遊ばせたまま、頼光は誰に聞かすともなく一人ごちる。
食事は先ほど赤坂にある馴染みの鮨屋で済ませてきたばかりだ。
その折にビール程度なら胃に流し込みはしたが、寝酒にはウィスキーが良いとばかりに部屋の壁際に設置された趣
き良いキャビネットに歩みを寄せる。
自身が好む酒もその中に何本か有る事は、度々この部屋を利用するので分かっていた。
ゆっくりと解いていたタイがシュルリと絹独特の音を発し、首にかかる一本の流れになると、空いた片手をグラスに伸
ばす。
その時・・―――
コツコツと扉が控えめな音を立てる。
それは通常の、ホテル従業員のノックであったから…疲れた面持ちの頼光はいつもよりも警戒心薄くその扉を躊躇も
せずに開けた。
カチャリ。
ロックを外して扉を開ければ、思ったとおり制服のボーイが頭を下げていた。
「何かな…?」
疲れが溜まり過ぎて、表情を作る気にもなれなかった。
本来なら他人に見せる事のないような、ぼんやりした表情でボーイに向き合う。
「お客様でございます。」
ボーイは頭を下げ、ただそれだけを言うと即座に踵を返し、まるで部屋から逃げるようにその場を後にした。
(…は?!)
取り残された頼光は、頭の回転も本日不調なのか呆然と部屋外を眺めるだけで…
「客…だと…!?」
一言呆然と呟いて左側の廊下を眺めた頼光の額に、みるみる大きな縦皺が刻まれる。
扉のノブを掴む手はプルプルと小刻みに震えを帯び、疲労した顔からは見る間に色が消えていく。
そして、こめかみに大きな青筋が浮かび上がってから、漸く怒鳴り声が飛び出した。
「何でお前が居る…っ!」
怒鳴られた男は顔色を変える事もなく、何時の間にやら草履の足をスッと扉と部屋の間に滑りこませていた。
片腕は海松色の粋な着流しの懐に突っ込み、もう片方の腕でがっしりと扉端を掴む。
その男の名は…伊達。伊達臣人。
「よう、来てやったぜ」
男がニヤリと微笑めば、これまたいつもの横柄な口ぶりに頼光の青筋は二割増になる。
「な…!何が来てやっただ…!!」
慌てて扉を閉めようとする頼光の咄嗟の動きなどなんのその。伊達はぐっと身体を割り入れ、平然と室内に入り込
む。
その様を止めようもなく、不快な表情のまま眺めるしかない頼光。
憮然としながらも己の声が廊下に漏れる事をよしとせずに、更に怒鳴りたいのをグッと堪え、頼光はしぶしぶながら
部屋の扉を閉め切る事にした。
「ほう、今から飲むところだったか……では、俺も頂くとするかな。」
部屋に入り込んだ伊達は、好き勝手に中を物色し始める。
先ほど頼光が用意をしていたグラスを手に取り、遠慮の欠片も無い態度でウィスキーのボトルに手を伸ばす。
まるで自身が手配した部屋で寛ぐかのような伊達の様子。
頼光の頬がヒクヒクと引き攣りを見せる。
「おい、飲んだら出て行けよ…!」
イライラと言い放つ。
すぐにでも出て行って欲しいが、この男を己一人の力で動かすなど容易い事ではない。イソップ童話の「北風と太陽」
よろしく、自ら進んで動いてもらわねばならないのだ。
「まぁ、そんなにカリカリすんなって。お前さんの部屋なんだ、ゆっくりしろよ。鮨屋でも慌てたように飛び出して帰りや
がって……お陰で俺は鮨を食いっぱぐれたんだぜ」
頬を歪めこちらに笑いかけてくる伊達の顔を見やり、頼光はハッとした。
やっぱりか…。と心中で思う。―――あの情報は正しかったのだ。
鮨屋でゆっくりしたいのは山々であったが、鮨屋の主の独り言のような呟き「…もうそろそろあの男が来ますよ。」そ
の言葉を鵜呑みにし、頼光は店を逃げるように出て行った。
あれは店主の心ばかりの気遣い。どうやら店の主人にすら、伊達の件に関しては憐れに思われているらしいのだ。
情けないとも思うが、それでも主人の忠告は有難かった。
それほどにお目にかかりたくない男、伊達臣人。
黙って口をへの字に曲げていると、伊達は尚もご機嫌に言葉を続けた。
「お前さんが一足先に出てったと聞いてな、鮨も食わずに店を出た後・・・・・・手下使ってこのホテルを探し当てるのに
往生したんだぜ」
大袈裟に腕を上げて、おどけたような表情をして見せる伊達にも反吐が出そうであった。
頼光の細い眉が激しく顰められる。
苦虫を噛み潰したような顔のまま、心底嫌そうに頼光は呟いた。
「ストーカーめ…」
唸るような低い声。
毎度毎度毎度毎度…全く分かりきっていた事だったが、この男には本当に手を焼く。何が嬉しいのか、男のケツばか
りを追いかける。
ホテルに逃げ込んでも、関東一円を締める極道の大親分だけあって、何だかんだと言っては何処のホテルにも手を
回されて捕まってしまう始末。
先ほど部屋に案内したボーイを責める事も出来はしないのだ。
「えらい言われようだな・・・」
言葉とは裏腹に楽しげにそう言うと、注ぎかけのグラスとボトルをテーブルに戻して、伊達はベッドの脇に立ち尽くす
頼光に近寄った。
グイと腕を伸ばせば、有無を言わせぬ強さで頼光の腰を抱く。
伊達の目の前すぐには頼光の肌。
かなりの位置まで釦が緩められたシャツ。解かれたネクタイ。それはそれは扇情的な脱ぎかけのYシャツ姿である。
緩められた胸元からは、肌理の細かい肌がこれでもかと覗いている。
その様に、むくむくと悪戯心が湧き上がるのを伊達は堪えはしなかった。
<
「腹減ってんだよ頼光・・・」
言葉と共にシャツ内に滑り込んでくる邪な手。
「それがどうしたっていうんだ…っ!今すぐこの腕を離せ…っ!!」
今にも切れそうな青筋をピクピクさせながら、腰を抱く伊達の腕を剥がそうと頼光はもがく。
だが今夜も離してもらえそうにない。素肌を這う手は既に熱を帯び始めていた。
伊達が舌をペロリと出して、もがく獲物を上から眺める。そして、ゆっくりと舌なめずりを一つ。
「飯(めし)の変わりだ・・・・・・お前さんを食わせやがれ」
頼光の耳元付近でそう呟くと、未だ抗いを止めない頼光に止めを刺すように…伊達はベッドへと二人分の身体をダイ
ブさせたのだった。
□蓮さまから頂戴したキリリク25252イラストに寄せて♪
頂いたイラストから、ホテルの一室での出来事を妄想しちゃった(笑)
蓮さまにも「書いて下さいよー」って言って貰ったので書いちゃったです(^▽^;)
赤坂の鮨屋はそうです。坂巻のお店~~!(大笑)
蓮さま、こんなショボイ内容でスイマセン><;めっちゃ萌えなイラストを頂いたのに…力不足はどうにもならんようです(汗)
□ルームナンバーは25252・・・
やっとだ…やっと一人になれた…。
頼光はいつも使用するホテルの一室に辿り着き、設えられた大きめのベッドへとスーツのジャケットを脱ぎ捨てながら
一人呟いた。
カーテンが開かれた部屋の大きな窓からは、宝石箱をひっくり返したような赤青緑…色とりどりに夜景が広がってい
た。
常日頃なら美しいものに対する興味が薄い頼光であったが、今夜は余程疲れていたのか、疲弊しきった身心が求め
ているのか、疲労で火照った身体を冷えた窓ガラスに預けて夜景を眺める。
ホウ…と溜息を一つつき、首を締め上げる窮屈なタイに指を伸ばしその小さな結び目に滑り込ますと、ゆっくり優雅な
仕種でタイを解きにかかった。
「のんびり、酒を飲むとするか…」
視線を、宝石を埋め込んだ黒いビル陣に遊ばせたまま、頼光は誰に聞かすともなく一人ごちる。
食事は先ほど赤坂にある馴染みの鮨屋で済ませてきたばかりだ。
その折にビール程度なら胃に流し込みはしたが、寝酒にはウィスキーが良いとばかりに部屋の壁際に設置された趣
き良いキャビネットに歩みを寄せる。
自身が好む酒もその中に何本か有る事は、度々この部屋を利用するので分かっていた。
ゆっくりと解いていたタイがシュルリと絹独特の音を発し、首にかかる一本の流れになると、空いた片手をグラスに伸
ばす。
その時・・―――
コツコツと扉が控えめな音を立てる。
それは通常の、ホテル従業員のノックであったから…疲れた面持ちの頼光はいつもよりも警戒心薄くその扉を躊躇も
せずに開けた。
カチャリ。
ロックを外して扉を開ければ、思ったとおり制服のボーイが頭を下げていた。
「何かな…?」
疲れが溜まり過ぎて、表情を作る気にもなれなかった。
本来なら他人に見せる事のないような、ぼんやりした表情でボーイに向き合う。
「お客様でございます。」
ボーイは頭を下げ、ただそれだけを言うと即座に踵を返し、まるで部屋から逃げるようにその場を後にした。
(…は?!)
取り残された頼光は、頭の回転も本日不調なのか呆然と部屋外を眺めるだけで…
「客…だと…!?」
一言呆然と呟いて左側の廊下を眺めた頼光の額に、みるみる大きな縦皺が刻まれる。
扉のノブを掴む手はプルプルと小刻みに震えを帯び、疲労した顔からは見る間に色が消えていく。
そして、こめかみに大きな青筋が浮かび上がってから、漸く怒鳴り声が飛び出した。
「何でお前が居る…っ!」
怒鳴られた男は顔色を変える事もなく、何時の間にやら草履の足をスッと扉と部屋の間に滑りこませていた。
片腕は海松色の粋な着流しの懐に突っ込み、もう片方の腕でがっしりと扉端を掴む。
その男の名は…伊達。伊達臣人。
「よう、来てやったぜ」
男がニヤリと微笑めば、これまたいつもの横柄な口ぶりに頼光の青筋は二割増になる。
「な…!何が来てやっただ…!!」
慌てて扉を閉めようとする頼光の咄嗟の動きなどなんのその。伊達はぐっと身体を割り入れ、平然と室内に入り込
む。
その様を止めようもなく、不快な表情のまま眺めるしかない頼光。
憮然としながらも己の声が廊下に漏れる事をよしとせずに、更に怒鳴りたいのをグッと堪え、頼光はしぶしぶながら
部屋の扉を閉め切る事にした。
「ほう、今から飲むところだったか……では、俺も頂くとするかな。」
部屋に入り込んだ伊達は、好き勝手に中を物色し始める。
先ほど頼光が用意をしていたグラスを手に取り、遠慮の欠片も無い態度でウィスキーのボトルに手を伸ばす。
まるで自身が手配した部屋で寛ぐかのような伊達の様子。
頼光の頬がヒクヒクと引き攣りを見せる。
「おい、飲んだら出て行けよ…!」
イライラと言い放つ。
すぐにでも出て行って欲しいが、この男を己一人の力で動かすなど容易い事ではない。イソップ童話の「北風と太陽」
よろしく、自ら進んで動いてもらわねばならないのだ。
「まぁ、そんなにカリカリすんなって。お前さんの部屋なんだ、ゆっくりしろよ。鮨屋でも慌てたように飛び出して帰りや
がって……お陰で俺は鮨を食いっぱぐれたんだぜ」
頬を歪めこちらに笑いかけてくる伊達の顔を見やり、頼光はハッとした。
やっぱりか…。と心中で思う。―――あの情報は正しかったのだ。
鮨屋でゆっくりしたいのは山々であったが、鮨屋の主の独り言のような呟き「…もうそろそろあの男が来ますよ。」そ
の言葉を鵜呑みにし、頼光は店を逃げるように出て行った。
あれは店主の心ばかりの気遣い。どうやら店の主人にすら、伊達の件に関しては憐れに思われているらしいのだ。
情けないとも思うが、それでも主人の忠告は有難かった。
それほどにお目にかかりたくない男、伊達臣人。
黙って口をへの字に曲げていると、伊達は尚もご機嫌に言葉を続けた。
「お前さんが一足先に出てったと聞いてな、鮨も食わずに店を出た後・・・・・・手下使ってこのホテルを探し当てるのに
往生したんだぜ」
大袈裟に腕を上げて、おどけたような表情をして見せる伊達にも反吐が出そうであった。
頼光の細い眉が激しく顰められる。
苦虫を噛み潰したような顔のまま、心底嫌そうに頼光は呟いた。
「ストーカーめ…」
唸るような低い声。
毎度毎度毎度毎度…全く分かりきっていた事だったが、この男には本当に手を焼く。何が嬉しいのか、男のケツばか
りを追いかける。
ホテルに逃げ込んでも、関東一円を締める極道の大親分だけあって、何だかんだと言っては何処のホテルにも手を
回されて捕まってしまう始末。
先ほど部屋に案内したボーイを責める事も出来はしないのだ。
「えらい言われようだな・・・」
言葉とは裏腹に楽しげにそう言うと、注ぎかけのグラスとボトルをテーブルに戻して、伊達はベッドの脇に立ち尽くす
頼光に近寄った。
グイと腕を伸ばせば、有無を言わせぬ強さで頼光の腰を抱く。
伊達の目の前すぐには頼光の肌。
かなりの位置まで釦が緩められたシャツ。解かれたネクタイ。それはそれは扇情的な脱ぎかけのYシャツ姿である。
緩められた胸元からは、肌理の細かい肌がこれでもかと覗いている。
その様に、むくむくと悪戯心が湧き上がるのを伊達は堪えはしなかった。
<「腹減ってんだよ頼光・・・」
言葉と共にシャツ内に滑り込んでくる邪な手。
「それがどうしたっていうんだ…っ!今すぐこの腕を離せ…っ!!」
今にも切れそうな青筋をピクピクさせながら、腰を抱く伊達の腕を剥がそうと頼光はもがく。
だが今夜も離してもらえそうにない。素肌を這う手は既に熱を帯び始めていた。
伊達が舌をペロリと出して、もがく獲物を上から眺める。そして、ゆっくりと舌なめずりを一つ。
「飯(めし)の変わりだ・・・・・・お前さんを食わせやがれ」
頼光の耳元付近でそう呟くと、未だ抗いを止めない頼光に止めを刺すように…伊達はベッドへと二人分の身体をダイ
ブさせたのだった。
□蓮さまから頂戴したキリリク25252イラストに寄せて♪
頂いたイラストから、ホテルの一室での出来事を妄想しちゃった(笑)
蓮さまにも「書いて下さいよー」って言って貰ったので書いちゃったです(^▽^;)
赤坂の鮨屋はそうです。坂巻のお店~~!(大笑)
蓮さま、こんなショボイ内容でスイマセン><;めっちゃ萌えなイラストを頂いたのに…力不足はどうにもならんようです(汗)
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