頼光×獅子「独り占め(危ない橋)」…「独り占め」の続き、短いです。まだ頼光×獅子。(02.11.04)
■独り占め(危ない橋)
既に愛される事を知っている獅子丸の身体は、従順に俺の愛撫に従い出す。
覚悟を決めた俺は・・・既に迷うことは無かった。
そう・・・。己自身が望んだ結果なのだから・・・
今更この手を引っ込めるような、馬鹿なマネは出来なかったのだ。
「金剛・・・寺さ・・・ん・・・っ!!」
獅子丸の反り返る背に唇を落すと・・・
涙を湛えた瞳を、ゆっくりした動作でこちらへと向ける。
背後から抱きしめる俺の腕を、獅子丸は儚いものを留めておこうとするかのように、ぎゅうっと握り締めている。
その握り締められた腕のあまりの強さに、痛みすら覚えるほどであった。
愛しい・・・。と確かに感じた。
震える獅子丸に視線を落せば、確かな愛しさを、冷徹であるはずの胸が感じる。
その面差しに、俺の仕える剣桃太郎の影が見えたからではない・・・。
そうではないと、その時は思っていた。
そう信じていた。
無理矢理に近い形で求めたというのに、獅子丸は敢えて抗いはしなかった。
『・・・貴方のことは、嫌いじゃないから・・・』
それだけ言葉少なに言って、父親の仕打ちを残した身体を。痣の残った身体を、俺の前でゆっくり開いてくれた。
『・・・辛いか・・・?』
その問いは、抱かれて震える身体。そのものに対して投げかけられたものか・・・
はたまた、剣との尋常ではない関係を強要されている。この今の、獅子丸の現状に対して投げかけられたものか・・・
獅子丸はどのように受け取ったろう・・・?
獅子丸はどのように理解していたのだろう・・・?
聞こえたはずの俺の問いかけに・・・
ただ静かに、首を横に振っただけだった。
『親父に知られたら・・・どうする・・・?』
行為の後の気だるい身体を起こしながら、獅子丸は真面目な顔をして問い掛けてくる。
『ねぇ・・・』・・・と。
上目遣いに、心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。
考えていなかった訳ではない・・・。だが、どうでもいいと思っていたのも確かだった。
この俺にしては珍しく、幾分投げやりな気持ちになっていたのだ。
だから・・・
『何、どうとでもなるさ。お前は何も心配しなくていい・・・』
フウ・・・と、咥えた煙草の煙を一つ大きく吐き出して、俺は、獅子丸の癖の無い髪をクシャクシャと撫でる。
本当に、どうとでもなると考えていた。
俺はその時。
剣という男を、心底舐めていたという事に、ほんの欠片も気付いていなかったのだ。
ただ、いつもより淡く潤んで見つめてくる、獅子丸の蒼の瞳が美しくて・・・
その宝石を眺めることだけに、心を奪われていた。
後のことなど・・・・・・何も考えず・・・・・・・・・。
嵐は・・・誰のもとにも平等に、ある日突然降りかかるというのに―――
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